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フレッド・ムーディの「わたしは電子の歌をうたう」はマイクロソフトの子供向けマルチメディア百科事典「エクスプロラペディア」の開発物語である。マルチメディアの開発現場の話は始めて読んだが、OSやアプリケーション開発とはまた違う困難さが描かれている。製品のコンセプトを模索しながら、同時に開発ツールを開発し、デザイナーとプログラマが共同作業する様子はなかなか読ませる。この本の原題は"I Sing the Body Electronic"である。これはアメリカの詩人ホイットマンの詩の一節"I Sing the Body Electric"をもじったものと思われる。
"I Sing the Body Electric"という言葉はホイットマンの詩よりもブラッドベリの短編集の題名としてのほうが有名だろう。学生時代ブラッドベリは大好きで、当時の翻訳は殆ど読んだ。わたしのお気に入りは「何かが道をやってくる」と「たんぽぽのお酒」だった。当時はかなり人気があって、アポロの宇宙飛行士もブラッドベリが好きだ、なんて言っていたのを覚えている。"I Sing ・・・"は彼の後期の短編集だが、これをきっかけに、同名のアルバムや歌ができた。
ひとつは、ウェザーリポートの2枚目のアルバムである。ジャケットにはエイリアンらしき怪しげな人物が描かれている。ジャズはよくわからなかったのだが、これはブラッドベリが好きだったせいで、よく聞いた。(ちなみにウェザーリポートで一番好きなのは「8:30」)
もうひとつは映画「フェーム」のクライマックスで流れる同名の曲である。これは実在する芸術高校を舞台にした物語ということから、当然音楽が豊富で、アイリーン・キャラの主題歌はその年のアカデミー賞を受けた。監督のアラン・パーカーは音楽物が得意で、ピンクフロイドの「ウォール」や「ザ・コミットメンツ」、最近ではマドンナの「エビータ」を撮っている。また「バーディ」でもピーター・ガブリエルの音楽を使っている。さてこのフェームは連続TV番組にもなって日本でも全てが放映されたが、これは実に素晴らしい番組だった。ストーリーもさることながら、毎回番組中でこの番組のための新曲が流れるのも楽しみだった。(数枚のLPが出たが、日本では最初の1枚が出たのみ。これは最近英国でCD化された。)薄っぺらでスター
で見せている「ビバリーヒルズ・・・」なんか足元にも及ばない。最初に日本で放映されたとき、評論家からは、「日本のドラマの欠点をすべて克服している」と絶賛された。
さて、マイクロソフトのドキュメンタリーを書いたジャーナリストのムーディもブラッドベリが好きだったのだろうな、とうれしくなってしまうが、しかし2冊が日本では両方ともH書房から出ているのは偶然だろうか・・・。
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