ビジネス

  「はじめの一歩を踏み出そう」  
  スモールビジネス マネジメント  
  ザ・ゴール  
まず、ルールを破れ  
10秒間マネージャ  
インターネット 激動の1000日  
パラドックス系  
大逆転  
なぜ会社は変われないのか  
マイクロソフト シークレット(上下)  
私がマイクロソフトで学んだこと  
思考スピードの経営  
   


「はじめの一歩を踏み出そう」
マイケル・E・ガーバー
世界文化社(2003)
評価:★★★★☆
cover
All Aboutのフリーランスの塚田裕子さんも五つ星をつけていました。
スモールビジネスをはじめた人にとって、とても刺激的な本です。
私もショックを受け、方向転換を迫られています。でもそれがより楽しいことのように感じています。
第一のショックは、
『致命的な仮説:「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」』
が、間違いであること。
人の中には、
「起業家」未来の世界に住む革新者、戦略家 「マネジャー」過去に住む管理が得意な現実主義者
「職人」現在に生きる、手に職をもった個人主義者
の3つの人格があって、職人は決して主導権を持つべきではない。
起業家の視点と職人の視点との違いは
・起業家は「事業が成功するにはどうするべきか?」を考え、職人は「何の仕事をするべきか?」を考えている。
・起業家にとって、会社とは顧客に価値を提供する場所である。その結果、利益がもたらされる。職人にとって、会社とは自己満足のために好きな仕事をする場所である。その結果として、収入がもたらされる。
・起業家は自分の描く将来像から逆算して現在の自分の姿を決めるが、職人は現在の自分を基準に将来の自分の姿を決めてしまう。
これも結構ショックでした。でも本当に自己満足のために仕事をしていたかも・・・。
続いて成功へのカギですが、
「事業のパッケージ化」収益を生み出す事業を定型化して、パッケージにする。
「商品」の代わりに「事業」を売る
誰が始めても失敗しないような事業モデルを作る
そこで事業については、
他の人に任せてもうまくいくような事業をつくろう。 どこでも誰でも、同じ結果が出せるような事業の試作モデルをつくるところからはじめよう。 事業とは、あなたとは別の独立した存在だ。それはあなたの努力の成果であり、特定の顧客のニーズを満たす機会であり、あなたの人生をより豊かにする手段である。 事業とは、多くの部品から構成されたシステムであり、ライバルとは明確に差別化されたものであり、顧客の問題を解決するものである。

事業発展プログラム
(1)イノベーション(革新) 創造との違いは実行するかどうか。レイ・クロックはイノベーションの対象を商品ではなく、その売り方であると考えた。
(2)数値化 イノベーションの効果を測定するための数値の把握
(3)マニュアル化 商品やサービスの質を安定させるため。現場レベルの裁量の自由を否定。

7つのステップ
(1)事業の究極の目標を設定する
(2)戦略的目標を設定する 基準----売上、取り組む価値はあるのか?等。
(3)組織戦略を考える 個人に依存した組織には限界がある----仕事の役割分担を明確にする(組織図を作る)
(4)マネジメント戦略を考える 管理システムがポイント
(5)人材戦略を考える 事業とはゲームである----自分でもやりたくないゲームを従業員に押し付けてはいけない----ゲームは長い間、楽しめなければならない----ゲームに意味を与える
(6)マーケティング戦略を考える 顧客の属性分析と心理分析
(7)システム戦略を考える ハードシステム、ソフトシステム(例えば販売管理システム)、情報システム

他に心に残った言葉として、
「オーナーは、事業とは自分を鍛錬する道場のようなものだと考えています。道場での戦いは、敵との戦いではなく、自分自身との内面的な戦いなのです」
「道場とは、宇宙の縮図である。私たちは道場で、自分自身と向き合うことになる。道場とは、閉ざされた戦いの空間である。しかし、対戦相手を敵と考えてはいけない。対戦相手は自分を理解するためのパートナーなのである。道場とは、己を知り、人生の難題への対処方法を学ぶ場である。武道で身に付けた集中力と自制心は日常生活にも生かせるのだ。また道場では、絶えず新しい試みが求められる。それゆえ、道場は学習の場でもある。禅の世界では、これを自己啓発の源と呼んでいる。」
「聞いたことは忘れてしまうが、見たものは記憶に残る。しかし、自ら実践しないかぎりは、何も理解することはできない。」

 
「スモールビジネス マネジメント」
デブラ・クーンツ・トラベルソ
翔泳社(2001)
評価:★★★★★
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スランプになると読み返す本があります。デブラ・クーンツ・トラベルソの「スモールビジネス マネジメント」(翔泳社)です。 スモールビジネスが大企業と渡り合うための、細部にこだわった、いくらか裏技的な内容の本です。 会社名(屋号)の決め方から、立地条件、パートナーの選び方、人脈の作り方から電話のかけ方まで多岐にわたります。 例えば電話については、 「こと電話と周辺機器、それにまつわるサービスに関しては、お金に糸目をつけてはならない。できる限りベストの(そして、一般的にいって最も高価な)システムやサービスを手に入れよう。」と、言い、 大企業と渡り合うための裏技的なものが多いのですが、例えば一人しかいなくても総合受付のメッセージを作る(総合受付は1のボタンを、担当者がお分かりの場合には担当者氏名の最初の文字を押してください)、とかバックグランドにオフィスの効果音を流すとか・・・ といった具合です。 ただしビジネス内容については、読者がユニークなサービス・商品を持っていることが前提となっていて著者は教えてくれません。ただしニッチを見つけるヒントはくれます。 全て著者と知人の経験に基づいたもので理論的なものではありません。ちりばめられた経験談は日本とは事情が違うかもしれませんが、説得力があり、元気付けられるものばかりです。 何回読んでも得るところがあり、読むたびに初心に帰らされる本です。私はSOHOを始める人に1冊だけ勧めるとしたら、この本を薦めます。 最後にデブラはこう言って締めくくります。
「でっかい相手をぶっ飛ばそうとするあなたの努力に幸いあれ。」
 
「ザ・ゴール」
エリヤフ・ゴールドラット
ダイヤモンド社(2001)
評価:★★★★
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いわくつきのベストセラーの翻訳である。閉鎖寸前の工場を3ヶ月で利益を出す工場に改善する過程を小説の形をとって、新しいアイディア(TOC 制約条件の理論 原著は84年刊行)を解説している。主人公の工場長は、大学時代の物理の教授の助けを借りて、調べていくうちに効率化のために導入した高価なロボットがボトルネックになっていることを発見する・・・。「測定していないものはコントロールできない」ことは昔から言われてきたが、それを日常の作業の正しい指標と結びつけて実行することがいかに難しいかを示している。重要なのは従業員を休ませずに働かせることではなく、全体のスループットを向上させることである。スループットははボトルネックによって決まる。しかもワンサイクル改善が終わると、新しい問題が現れ、改善は継続的に続く。小説の後半でゴールドラットは、工場での改善手法を企業の改善に応用する。工場でのボトルネックはロボットだったが企業ではポリシーとなる。なお小説としてもよくできていて、読むものを飽きさせない。読者の課題が工場になくとも、既成の考えにとらわれることなく問題を考え直すきっかけを、この本は与えてくれる。
 

「まず、ルールを破れ---すぐれたマネージャーはここが違う」
Marcus Buckingham & Curt Coffman
日本経済新聞社(2000)
評価:★★★★☆
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原題はもっと過激で、「まず、全てのルールを破れ」。ギャラップが行った膨大な調査と統計的な分析による説得力のある論旨である。トム・ピーターズのブランド人やワインバーグの触媒の考え方を裏付けている。目からうろこのお勧め本。



 

「10秒間マネージャー」
マーク・ブライアー
日本経済新聞社(2000)
評価:★★★
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ベストセラーになった「チーズはどこへ消えた」の著者、スペンサー・ジョンソンは、これもベストセラーになった「1分間マネージャー」の著者でもある。マーク・ブライアーは、現在のインターネット時代に1分も時間がないマネージャーはどうするのかという。そこで10秒間マネージャーとなった。



「インターネット激動の1000日(上・下)」
ARCHITECTS of The WEB
1000 Days that Built the Future of Business(1997)
ロバート・リード
日経BP社(1997)
評価:★★★★
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インターネットでの(特にWWWの)市場の形成、製品コンセプトの創造、現在の技術やその考え方を、これほど分かりやすく解説したものを私は知りません。次の1000日を考えると、決してわれわれと無縁ではないでしょう。




 

「パラドックス系」(1997)
MANAGEMENT OF ABSURD:Paradoxes in Leadership
Richard Farson(1996)
評価:★★★☆
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「世の中は不合理で不公平で、そしてそれに対しては何の説明も無い。」
うろ覚えだが、これは昔のTV番組「フェーム」の中の主人公の一人、ドリスの台詞である。本書の原題は「不条理のマネジメント」で、人生とは不条理なものであるという前提の下で、従来からの常識が、(少なくとも場合によって)むしろ悪影響を及ぼしていることを説明している。
日本語の題名は「パラドックス系」で、「複雑系の次はパラドックス系だ」というコピーはいただけない。複雑系ブームに乗って柳の下の鰌をねらった多くの本の一冊と誤解されてしまう。
内容はマネジメントの本だが、類書のように、成功の方程式を羅列しているものではないし、読者に、内容をうのみにしろという類の本ではない。むしろ今までの常識に反論し、読者を挑発し、考えさせることを目的にしている。
 

「大逆転」
コンチネンタル航空−奇跡の復活
ゴードン・ベスーン/スコット・ヒューラー
日経BP社(1998)
FROM WORST TO FIRST(1998)
評価:★★★★★
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非常に面白い本である。帯からの言葉を引用してみよう。「憎み合う労使。乗客からは罵声の嵐。三度目の倒産の危機。リストラに怯える日々。こんなボロボロの会社を救おうと1人の男が立ち上がった。」立ち上がったのは、危機を救おうと強引にCEOになったゴードン・ベスーンである。この本はリーダーシップとは何かを教えてくれると同時に、私がいつも言っている「測定していないことは制御できない」の見本のような応用である。全てのリーダに薦めたい。また同じく日経BP社から出ているサウスウエスタン航空のCEO、ハーブ・ケレハーを描いた「破天荒」も、これにおとらず面白く為になる。興味があれば読んでいただきたい。
 

「なぜ会社は変われないのか」――危機突破の企業風土改革
柴田昌治
日本経済新聞社(1998)
評価:★★★★★
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企業コンサルタントである著者が、ストーリーの形をとって、大企業病に罹っているある自動車部品会社の再生の過程を描く。8つの実践的な風土改革ノートをはさんだ物語はリアリティがある。

長年ソフトウエアの品質改善と普及をやってきて、何故必ずしもうまくいかないかはわかっていた。それは上から押し付けられた改革だからである。言われたほうは、「この忙しいのに、また余計な仕事が増える」と考え、「事業部長の指示だから、形だけでもやらないとまずい」ということになり、「最小限の労力で、言われた(あるいはそれらしき)データを出す」ことだけが行われている。場合によっては、行っていないレビューの報告書や、測定していないデータが出てくることもある。やったふりである。

そのような状態の解決法の1つをこの本は教えてくれている。仕組みの方法論を押し付けるだけではだめで、問題は、いかに納得させ普及させるかという方法論である。この本のように「やらせない改革」が成功すれば品質改善活動も身のあるものとなるであろう。柴田氏は私が漠然と考えていた問題と解決法をはっきりと文章にしてくれた。貴重な本である。
 

「マイクロソフト シークレット」
(上下)
日本経済新聞社(1995)
評価:★★★★★
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マイクロソフトの幹部・社員へのインタビューによる調査、社外秘資料による同社の戦略、組織、開発プロセスを分析
したものです。ソフト開発手法という点からも学ぶべきアイデアの宝庫です。よくマイクロソフトが出版を許可したものだという気持ちと、どこまでが本音なんだろうという気持ちがあります。





「私がマイクロソフトで学んだこと」
ジュリー・ビック
アスキー出版局(1997)
ALL I REALLY NEED TO KNOW IN BUSINESS I LEARNED AT MICROSOFT(1997)
評価:★★★
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またもマイクロソフト本。著者は30代前半の敏腕マネージャーでワード、オフィスのプロダクトマネージャーを歴任した経歴を持つ。
本書は5章に分かれ、それぞれ10程度のノウハウと、その例となる実話が語られる。
一読後、実にクールでスマートという気持ちと、マイクロソフトに対する畏怖の念と同時に、マイクロソフトにも”無能な上司”がいることを知って妙に安心したり、まるで日本の企業のような面もあったりと、その企業文化の一端が覗える軽い読み物です。


「思考スピードの経営」
ビル・ゲイツ
日本経済新聞社(1999)
評価:★★★★
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なぜ、今になって、「思考スピードの経営」かとお思いでしょうが、これにはわけがある。私は大前研一が好きで、先日「ドットコム・ショック」を読んだのだが、これに味をしめて、次に「一人勝ちの経済学」を読んだ。以下はその一部である。タイトルは「今世紀最高の経営書を著したビル・ゲイツ」

「そのゲイツが経営者としてきわめて優れていることは、彼の近著『思考スピードの経営』を読めば、はっきりわかる。経営書としては、いま、これ以上のものはないと言ってもいいほどだ。・・・二十一世紀はスピードこそすべて。そのスピードを持って意思決定できるためには何が必要かを、『一人勝ち』を収めた経営者みずからが説いているのである。」
大前研一著「一人勝ちの経済学」より。

私は、技術より人間が重要という立場だが、それでもこの本を読んでいると、その豊富な実例と、説得力のあるビジョン、技術礼賛の内容には圧倒される。99年に出版されたから、本の中に出てくる豊富な実例は2年は前のものであろう。それがまたすごいのである。「測定していないものはコントロールできない」を極限まで推し進めたものであり、「失敗から学ぶ」を実践している。OS/2の3.0はWindowsNTになり、1-2-3に負けたマルチプランはExcelになった。出遅れたIEはNetscapeを突き放し、開発中止となったオメガプロジェクトは、後にAccessとなった。いずれも一度失敗して、それからトップシェアとなるのである。

各章末には「ビジネスの教訓」と「貴社のデジタル・ナーバス・システムの診断」がそれぞれ何項目か並んでいる。